感動の一皿
 パスタ編


2012年10月


粗挽きミートの肉汁を極太パスタが吸い尽くす。
泣く子も黙る肉弾パスタ!


トラットリア ケ パッキア(麻布十番) 


ベーシックでありながら、豪快で伝統的なトラットリア料理を旨とする、同店ならではの一皿がこれ。蝦夷豚団子のブカティーニだ。 


ゴロリとしてどこか武骨ながら、表面ににじむ肉汁が食欲をそそる肉団子。もともと味わいの濃い蝦夷豚だが、ビールで煮込むことで、穏やかな旨味が生まれる。もちろんこの煮汁はそのままソースとして、むっちりとした歯ごたえのブカティーニにじんわりしみ込ませるわけだ。 


実はこのブカティーニ、見た目は普通の太麺だが、中心に一本の細い穴が開いている。これを肉と一緒に噛みしめると、食感に微妙なクッションが生まれ、舌を飽きさせない。さらにこの穴にもとろりとしたソースが入り込んで、一体感もひとしお。肉団子をそのまま頬張るのもいいが、少し崩してパスタと和えつつ食せば、より太麺の醍醐味を楽しめよう。  


こちらが、どちらかといえば“動”のパスタなら、トリッパソースのスパゲッティは“静”である。 


トマトで煮込んだ定番のトリッパに小腸を加え、ホルモンならではのコクを増したソースには、2・1㎜と極太のスパゲットーニがぴったり。トリッパに歯を入れるたび、じわじわしみ出る力強い旨味を、どっしりと受け止めてくれる。またパスタのモチモチ感もさることながら、トマト味を纏ってもなお、噛みしめるほどにわき起こる粉の風味―。これがたまらない。低温でゆっくりと乾燥させたパスタならではの味わいだ。



“ブカティーニ 蝦夷豚の肉団子ソース” 1785円。中心に穴が開いたブカティーニを使うことで、肉とパスタを一緒に噛みしめた瞬間、粗挽き肉団子の重厚な旨味の突進をわずかに軽く感じさせる効果も。



“スパゲッティ トリッパのソース” 1785円。太さ2.1㎜のスパゲットーニを使い、噛めば噛むほどトリッパと粉の旨味が引き出されていく一皿。麺をゆでるのに約15分かかるため、前菜を楽しみつつ待とう。


<店データ>


トラットリア ケ パッキア
東京都港区麻布十番2-5-1 マニヴィアビル4階
03-6438-1185
営/18:00~翌1:00(L.O.)
休/日曜 祝日の月曜 
カード/ほぼすべて可 
●多彩な前菜やパスタのほか、岡村シェフ本領発揮の肉料理もお忘れなく。地下鉄麻布十番駅より徒歩4分。


 


<クレジット>文・森脇慶子 撮影・石井雄司


【dancyu編集部】


<2012年10月号>



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